R4第3回北海道の管理河川の川づくりワーキング

令和4年度 第3回 北海道管理河川の川づくりワーキング

日時:令和5年(2023年)2月17日(金)10:00~12:00
場所:十勝総合振興局3階講堂

令和4年度第3回北海道管理河川の川づくりワーキングが、令和5年(2023年)2月17日(金)に開催されました。
今回は、帯広建設管理部から砂防事業・河川事業・河道内樹木伐採について、令和4年度の工事の進捗状況及び環境調査結果、前回までの委員からのコメントや質問に対する回答、環境対策などを説明し、その後ワーキングメンバーによる意見交換を行いました。

※議事内容については、事務局にて要約しています。

北海道管理河川の川づくりワーキングのメンバー(今回の参加者は名前の後ろに◎)
・浦幌野鳥倶楽部 武藤 満雄
・NPO法人十勝多自然ネット 河合 将弘◎
・帯広ウチダザリガニ・バスターズ 鏡 坦◎
・帯広川伏古地区子どもの水辺協議会 関川 三男
・帯広市町内会連合会環境衛生部会 中島 辰男◎
・川と河畔林を考える会 髙倉 裕一◎
・新得おもしろ調査隊 山田 園子
・とかち帯広サケの会 千葉 養子
・十勝川水系の生態系再生実行委員会 石垣 章◎
・十勝川中流部市民協働会議 紅葉 克也(座長)◎
・十勝川のシシャモを守る会 越谷 光裕◎
・十勝環境問題連絡会 久保下 正哲◎
・日本野鳥の会十勝支部 尾崎 高博◎
・帯広建設管理部事業課 秋山 護◎

議事項目
1.砂防事業について
 ①居辺川砂防工事
 ②美生川砂防事業
2.河川事業について
 ①帯広川改修工事(帯広川中流地区、ウツベツ川地区、柏林台川地区)
 ②伏古別川改修工事
 ③美生川改修工事
 ④ピウカ川改修工事
 ⑤サラベツ川改修工事
 ⑥旧途別川改修工事
 ⑦渋山川
 ⑧居辺川河川区間
 ⑨然別川総合流域防災工事
3.河道内樹木伐採について
 ①河道内樹木伐採のあり方について
 ②R4年度河道内樹木伐採予定の概要
 ③各河川の河道内樹木伐採予定
 

ワーキングメンバーから出された主な意見等

【居辺川砂防工事について】

・今年度は重要種魚類Aの調査を3回実施した。工事期間内に重要種魚類Aと、その子供の重要種魚類A'も確認している。工事によって重要種魚類Aの生態が壊れたということは確認できず、非常に良い状態で工事が進んでいると思う。

・産卵するために間違いなくこの川に上って来ている。新しい工事もあるので、今後も見ていきたい。

 

・(委員Aへの質問)居辺川に上ってくる重要種魚類Aは、その親がそこの川を利用していた居辺川由来の個体群なのだろうか。

・(委員Aの答)重要種魚類Aなどサケ科の魚は生まれた所に帰ってくるのが基本である。なお、サケは生まれてその年の春にすぐ降海するが、重要種魚類Aは次の年の春まで1年間、川の中でヤマメとして生活する。回帰率は、長い間川にいる重要種魚類Aの方がサケより数倍、場合によっては十数倍も高い。

 

・移植した植物の内、移植後に減少しているものがあるが、どこに植えるのが最適なのか。そこに植えた理由があれば教えていただきたい。

>(建設管理部)移植にあたり、日照の関係や水はけの状況を考えて移植していたが、出水後に水が溜まってしまい、減少している部分があった。今後は現地をもっとよく確認して、そのような所を避けて移植していきたい。

 

【美生川砂防工事について】

・既に美生ダムと1号砂防堰堤があるが、その下流に2号砂防堰堤が予定され、さらに流木捕捉工が必要な理由は何か。美生ダムと1号砂防堰堤で土砂は止まっていないのか。

>(建設管理部)美生ダムは畑などに水を供給する施設であり、堆砂容量は持っているが土砂を貯める機能自体は有していないので、砂防の計画には見込んでいない。1号砂防堰堤を造った当時は山が今ほど荒れていなかったが、平成28年の台風によって山がさらに荒れたため再度調査を行って計画を再考し、施設の配置を決定した。

 

・写真を見ると、川幅が一番広いところに流木捕捉工を予定しているように見えるが、なぜ川幅の広いところに造るのか。

>(建設管理部)なるべく広い所で止めた方が効率が良い。地形上流木が貯まりやすい所を選定して計画している。

・流木を捉えるという目的からして、流木捕捉工を川幅が広い場所に造るのは当然だと思う。同様に、河川形状から見てもいいところに造ることになっている。

 

・土砂氾濫区域の指定があるが、ここに土砂を氾濫させないということが第一の目的なのか。

>(建設管理部)砂防施設を配置しなければ、この区域に土砂が氾濫して畑や人家に被害が及ぶのでそれを防ぐ。土砂供給源を抑えるために上流に砂防堰堤や流木捕捉工を計画している。

 

・規模の大きい砂防施設も施工後、現地に馴染んでいるものがある。問題は施工時のヤードや床掘りで一時的に現地を改変することであり、そこを気をつけてうまくやっていくのが大事かと思う。

 

【ウツベツ川の改修工事について】

・左岸には川に降りたり上ったりする所があるが右岸にはない。間違って落ちた時に上れる梯子とか、降りた時に上がって来られるような施設をある程度の間隔ごとに整備できるだろうか。

 

・地域住民や子供たちの意見を取り入れて、安全に遊べる水辺の環境を整えて、子供たちに川の楽しみを教えてあげたい。昔のようにそこら中で裸で遊んだ思い出を作ってあげたい。

 

【柏林台川の改修工事について】

・重要種底生動物Aについて、十数年前には間違いなくいたのだが、今回は環境DNAの調査まで行ったのに見つからなかった。もうしばらくは出てこないかもしれない。

・かつて上流に湧水の池があり、重要種底生動物Aがたくさん生息していた。高規格道路建設時にミティゲーションとしていろいろな保全対策を実施したがいなくなっているようだ。

・重要種底生動物Aは、上流からの水環境が変わるだけで影響を受ける。非常にデリケートな動物であり、この種を保全することの難しさを痛感した。

 

【河道内樹木伐採について】

・売買川の弥生新道南橋周辺は濃度の濃い緑の中で、エゾリスや野鳥やエゾモモンガなどの非常に活発な生息エリアである。今回は河道内の伐採であるが、生息エリアと関連している所での工事なので、伐採後となる令和5年度のワーキングで現地を検証していきたい。

 

【鳥類環境への対策について】

・林に隣接している草原は、草原性野鳥の生息場所で樹林性野鳥の餌場でもある。車両置き場を草原から離れた所にするなど、林に隣接している草原にもちょっと気を配ってもらえると良い。

 

【河川区間での流木対策について】

・砂防で流木補足工を実施するが、河川でもそのような対策が可能だろうか。豊頃町では、大雨が降るたびに十勝川に流木が流れてきて、海に出て引っかかったり、ぶつかって船が壊れるなど、いろいろな被害が出ている。河川ごとに流木対策を実施することも考えていただけると助かる。

 

◎配布資料

資料1(砂防事業について) (PDF 1.97MB)

資料2(河川事業について)その1 (PDF 1.73MB)

資料2(河川事業について)その2 (PDF 1.94MB)

資料2(河川事業について)その3 (PDF 623KB)

資料3(河道内樹木伐採について)その1 (PDF 1.96MB)

資料3(河道内樹木伐採について)その2 (PDF 2.09MB)

◎ワーキング会場写真

01_写真 (JPG 372KB)

02_写真 (JPG 418KB)

03_写真 (JPG 445KB)

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