安全な登山をするために
十勝管内において、日本百名山や二百名山になっている山が多く、道内外から多くの登山者がやってきます。
また、近年、健康ブームなどにより、中高年者層の登山が増え、これに伴い、体力不足や経験の浅い登山者に
よる山岳遭難が毎年、発生しています。
その1 安全な登山の心得
1.登山は十分な装備とゆとりのある計画を立て、経験、技術、体力に合わせた登山を心がけましょ
う。
2.単独登山を避け、経験あるリーダーのもと、複数による登山に努めましょう。
3.登山前に必ず気象予報を確認し、天候悪化の兆しがある場合は無理をせず、引き返す勇気を持ち
ましょう。
4.ヒグマの出没情報に気をつけるとともに、熊よけのための鈴やラジオなど音の出る物を携行しま
しょう。
5.携帯電話や無線機などを携行し、通信手段を確保しましょう。
また、ホイッスルを携行するようにしましょう。
6.登山計画書(登山届)は、必ず近くの警察署、交番、駐在所に提出しましょう。
また、家族や職場にも登山計画書のコピーを渡しておきましょう。
7.天気の悪い時は、行動を控えましょう。
8.登山用具は十分に使いこなせるようトレーニングをするほか、その使用期限を誤らないようにし
ましょう。
9.登山のルール、エチケットを守り、お互いに楽しい登山をするよう心がけましょう。
その2 楽しく登山をするために
1.荷物は背負うようにし、手には物を持たないようにしましょう。
2.食べ物は、必ず予備食(非常食)を持つようにしましょう。
3.山の天候は変わりやすいので、あたたかくてもセーターや下着などの着替えは必ず持ち、晴れて
いても雨具の用意をしましょう。
4.履き慣れた底の厚い土ふまずのよくしまる靴を用いましょう。下駄やサンダルは事故のもとに
なります。
5.気温に応じ衣服を調整し、疲労を防ぎましょう。
6.天候が良くても安心せず見通しのきくうちに、方向、目標物、位置を磁石を用いて確かめ、地図
上に記しておきましょう。
7.山小屋、指導標、高山植物等、損なわないようにしましょう。
8.食事後の後片付けをきちんとしましょう。
(食事後の残りご飯一つでも最悪時の唯一の食料に、包装紙1枚も燃料になる事を考え、無事に
下山するまでリュックに入れておきましょう。)
9.山小屋での宿泊や車内では、他に迷惑をかけぬように心がけましょう。
10.登山中、山岳パトロール員などの関係者、または他の登山者の意見・注意を素直に聞きましょう。
11.雪渓は岩が隠れていたり、穴があったり、末端が急に落ち込んでいたり、危険な事が多い。
通過する時は方向を間違えぬよう、また、スリップにも注意しましょう。
12.救難信号と間違うような無意味な旗、笛、灯火の点滅、大声等の合図はやめましょう。
13.ゴミは持ち帰りましょう。
その3 登山のチェックポイント
遭難の形態
1 コース迷い
遭難原因:山の地理不案内、霧による視界不良、吹雪による視界不良
注意事項:経験者と登る、無理な行動をしない、冬山ではルート旗を活用する
2 転落・滑落
遭難原因:技術未熟、疲労による注意力散漫、不注意による行動、危険箇所での未確保、
アイゼン等の装備不良、突風、雪庇等地形判断不適切
注意事項:技術に合った山やコースを選ぶ、無理のない日程で登る、危険箇所はアンザイレン
する、早めにアイゼン等を装着する、風下には雪庇が出来やすいので注意する
3 落石
遭難原因:不注意による自然落石での負傷、装備不備による負傷、
不注意による落石のため下部の者を負傷
注意事項:岩場・崖等での落石を看視する、ヘルメットを装着する、浮石を落とさないよう
慎重に行動する
4 行動不能
遭難原因:雨具・防寒衣等の不備、食糧不足、病気・負傷、体力不足による疲労、
吹雪等悪天候無視による行動不能
注意事項:装備を完全にする、非常食を準備する、持病のある者や体調の悪い者は注意する、
入山前にトレーニングしておく、天候悪化の時は中止する
5 雪崩
遭難原因:地形判断不適切による危険地帯への入り込み、急斜面のスキー等によるトラバー
ス、雪庇踏み落としによる誘発、多量の降雪後や異常暖気時の不用意な行動
注意事項:地元登山者から危険地帯を把握する、樹木のない斜面では慎重に行動する、
多量の降雪後や異常暖気の際は、ちょっとした斜面でも注意する
6 熊による被害
遭難原因:急に逃げ出し襲われる、出会い頭に遭遇して襲われる、テント周辺に残飯を捨てて
襲われる
注意事項:急に逃げ出すと危険である、ラジオ・笛等で人のいることを知らせる、残飯を捨て
ない
その4 登山のマナー
ゴミは必ず持ち帰りましょう。