「山幸」と「食」とのペアリングメニュー
十勝産のワインのさらなる魅力向上を図るため、十勝管内の各ワイナリーのワインと食とのペアリングメニューの開発に取り組みました。
ペアリングメニューの開発は、管内の各ワイナリーからそれぞれ「山幸」を使ったワインを1銘柄選び、NPO法人ワインクラスター北海道と管内の4ワイナリーの関係の皆様にご協力いただき、いけだワイン城レストランの仁科料理長にそれぞれのワインの特徴を生かした料理を制作していただきました。
「山幸」は池田町が独自に開発した十勝生まれのワイン用ブドウ品種で、OIV(国際ブドウ・ワイン機構)の登録品種リストにも掲載されている十勝産のワインを代表するワイン用ブドウ品種です。
4つのワインのペアリングメニューはコース仕立てとなっており、ワインの特徴によって、前菜からデザートまで幅広いバリエーションの料理に合わせられるというワイン用ブドウ品種としての山幸の大きなポテンシャルを示すものともなったのではないかと思います。
選んだ山幸のワインとそのペアリングメニューは以下のとおりです。
相澤ワイナリー「龍之介2020」とのペアリング
ディルのクリームチーズと帆立のミキュイ ビーツとすもものソース
ホタテの旨味とクリームチーズのコク、ディルの香りを調和させました。
ビーツ、すもも、レモンのキレのある酸味のソースを使い、ワインの持つ爽やかな青い香りや軽さと若さを生かすために、サラダにベビーリーフを使っています。
また、ワインのフルーティな甘い香りと味わいを見た目からも表現しています。
レシピ(ディルのクリームチーズと帆立のミキュイ ビーツとすもものソース)
<材料・6人分>
(ディルのクリームチーズと帆立のミキュイ)
- 帆立(刺身用) 9個(1人1.5個)
- ディル 2本
- ピスタチオ 少々
- ケッパー 8g
- クリームチーズ 80g
- エシャロット 1玉
- グリーンオリーブ 20g
- ニンニク 1片
- アンチョビフィレ 2枚
- 生クリーム 30g
- 塩、胡椒、砂糖 少々
(ビーツとすもものソース)
- ビーツ 80g
- 塩 少々
- リンゴ酢 少々
- すもも 80g
- レモン 1/2個
(サラダ)
- レッドソレル
- ペリーラ
- マイクロ赤ジソ
- 春菊
- ズッキーニ
- ナスタチウム(飾り)
<作り方>
(ディルのクリームチーズと帆立のミキュイ)
- 帆立は表面に焼き色を付けて、ディルで一晩マリネする
- 帆立以外の材料を全て刻んでよく混ぜ合わせる
(ビーツとすもものソース)
- ビーツは皮付きのまま茹でて、柔らかく火が通ったことを確認する。
- 1と塩、リンゴ酢、すももをミキサーにかけ、裏漉しし、最後にレモンを加える
めむろワイナリー「かなえる 山幸【KIKUCHI HIDEKI】aged one year vin2020~AVVERARE」とのペアリング
鶏レバーのコンフィ 赤ワインのビネグレット
鶏レバーをコンフィにすることにより、ねっとり感と味わいを強く感じさせるようにし、オイルにはローズマリーの甘い香りを付け、野菜はゴボウ、ニンニク、黒ニンニク、ナス、赤パプリカを使用。
ワインの深みのあるフルーティーさと香ばしさ、コクを生かしました。
味付けに醤油を使い、盛り付けにも和風感を出しました。
レシピ(鶏レバーのコンフィ 赤ワインのビネグレット)
<材料・6人分>
(レバーコンフィ)
- 鶏レバー 約300g(6個)
- 塩 4.5g
- ガーリックパウダー 0.5g
- 砂糖 3g
- ローリエ 1枚
- 鷹の爪 1本
- ラード 200g
(赤ワインのヴィネグレット)
- かなえる山幸 400g
- 砂糖 10g
- ローズマリー 1本
- リンゴ酢 15g
- 醤油 15g
(旬の野菜のアーリオ・オーリオ ローズマリー風味)
- ゴボウ 適量
- ナス 適量
- 赤パプリカ 適量
- 黒ニンニク 適量
- ローズマリー 適量
- 鷹の爪 適量
- ニンニク 適量
- オリーブオイル(A)
- サラダ油(A)
- 塩・胡椒(A)
<作り方>
(レバーコンフィ)
材料を合わせて30分マリネ。67℃で1時間熱を入れる
(赤ワインのヴィネグレット)
材料を合わせて1/2になるまで煮詰める
(旬の野菜のアーリオ・オーリオ ローズマリー風味)
- ローズマリーは葉をちぎり、鷹の爪とニンニクは刻む
- 1と(A)を弱火で温めて、香りを引き出し、グリルした野菜にかける
十勝ワイン「山幸2019」とのペアリング
エゾ鹿ロース・ロティ ギョウジャニンニクのソース
エゾシカにマスタードとタイムのパン粉で酸味と香ばしい香りをプラスし、ギョウジャニンニクをソースとして使うことで、パンチのある味わいに仕上げ、ワインの持つ個性的な野生感と酸味と樽香、そして深みのある味わいに調和させました。
付け合わせには、池田町産の大豆とネバリスター(長芋)のドフィノワーズを添えています。
レシピ(エゾ鹿ロース・ロティ ギョウジャニンニクのソース)
<材料>
(エゾ鹿ロースのロティ)
- エゾ鹿ロース 210g(3人分)
- 粒マスタード
- ケッパー
- パン粉
- タイム
(大豆のドフィノワーズ)
- 長イモ(ネバリスター)適量
- 大豆 適量
- 生クリーム 適量
- ニンニク 適量
- タイム 適量
- グラナパダーノ 適量
(ブルギニョンバター)
- バター 100g
- エシャロット 1玉
- ニンニク 15g
- パセリ 20g
- イタリアンパセリ 10g
- 塩 2g
(ギョウジャニンニクソース)3人分
- オリーブオイル 適量
- 鷹の爪 適量
- ニンニク 適量
- ギョウジャニンニク 100g
- 鹿のフォン 50g
- 塩、胡椒 適量
<作り方>
(エゾ鹿ロースのロティ)
- 粒マスタードとケッパーを2:1の割合で混ぜ、合わせマスタードを作る
- パン粉とタイムを煎っておく
- エゾ鹿ロースは、肉に下味を付けてローストしておく
- 3に1と2を組み合わせる
(大豆のドフィノワーズ)
- 大豆は蒸しておき、長イモは薄切り、ニンニクは刻む
- 鍋に1と生クリーム、タイム、グラナパダーノを入れ、味付けをしてオーブンで焼く
(ブルギニョンバター)
全ての食材をフードプロセッサーにかける
(ギョウジャニンニクソース)
- オイルに鷹の爪、ニンニク、ギョウジャニンニク、鹿のフォンを加え、ミキサーにかける
- 1を鍋で煮詰めて、味を整える
十勝まきばの家ワイナリー「山幸プリムール」とのペアリング
エピスとハスカップのガトーショコラ イチジクのヴァンキュイ
ガトーショコラの生地にはカカオ61%のチョコレートを使用し、池田町のハスカップとフランボワーズで酸味、レモンゼストで苦味を加え、さらにコリアンダー、シナモン、カルダモンを加えることで、ワインの持つ果実の香りや甘み、山の香りやスパイシー感と調和させました。
また、ショコラガナッシュにも黒コショウを加え、スパイシー感を出しています。
レシピ(エピスとハスカップのガトーショコラ イチジクのヴァンキュイ)
<材料・3本分(1本300g)>
(ガトーショコラ)
- チョコレート 250g
- バター 100g
- 卵黄 4個分
- 薄力粉 40g
- ココアパウダー 40g
- コリアンダーパウダー 1g
- シナモンパウダー 1g
- カルダモンパウダー 1g
- ブランデー 20g
- ハスカップ 200g(A)
- フランボワーズ 50g(A)
- レモン(果汁とピール)1個分(A)
- グラニュー糖 100g(B)
- 卵白 150g(B)
- 塩 少々(B)
(黒胡椒のガナッシュ)
- チョコレート 100g
- 生クリーム 150g
- 黒胡椒 適量
(ナッツ)
- MIXナッツ
- ピスタチオ
(ヴァンキュイ イチジクソース)
- 山幸プリムール 400g
- 八角 2粒
- クローヴ 10粒
- シナモン 2本
- レモンスライス 1/4個分
- セミドライイチジク 50g
- グラニュー糖 60g
<作り方>
(ガトーショコラ)
基本的な別立て法のガトーショコラの作り方をもとに作り、150℃のオーブンで25分焼成する
(黒胡椒のガナッシュ)
細かく刻んだチョコレートに、弱火で沸騰直前まで温めた生クリームを加えて、艶が出てくるまで混ぜて溶かし、仕上げに黒胡椒も混ぜ合わせる
(ナッツ)
素焼きにして細かく砕く
(ヴァンキュイイチジクソース)
- グラニュー糖以外の材料を200gになるまで煮詰めておく。
- グラニュー糖に適量の水を加え、キャラメル化し、1を合わせる