防風林の歴史

 十勝といえば「防風林」といわれるくらい、十勝管内の防風林は北海道の農村景観の代名詞となっています。防風林は単に農作物を気象の害から守るだけでなく、農村の生活環境や景観を維持する上でも重要なもので、また、エゾリスなどの小動物の貴重な住処ともなっています。

 生態系に果たす役割も大きい防風林の、形作られてきた開拓の歴史を探ります。

防風林とは

 防風林は、吹き付ける風を分散することによって、周囲の風の力を弱くし、作物の損傷、耕地の地温の低下、表土の飛散を防ぐなどの効果を持っています。

幹線防風林 保安林に指定されている。
(防風保安林と呼ばれる)  
支線防風林 農作物の増収と品質の向上を目指して造成された。
(耕地防風林と呼ばれる)  

その歴史とは

 北海道の防風林の歴史は、農業開拓初期にまでさかのぼり、政策に導かれている部分が多いといえます。

 開拓使時代 森林の乱伐を防止するため、保安林制度の先駆けとも見られる若干の規定
などがあり、その中に防風林に関連した条項が含まれるものがあった。
 明治29年5月 「植民地撰定及び区画施設規程」が定められる。
この規程に基づき、保安林に指定される幹線防風林が設置されることとなった。
 開墾が進むと 農作物を風害から守るため、各市町村においても計画的な耕地防風林の植栽を
推奨した。規定を設け、農事組合などに対して苗木代や造成費を助成した。
 昭和10年代 現在の耕地防風林の姿が形づくられた。
※開拓使:北海道の開拓にあたった行政機関。明治2年に創設、明治15年に廃止された。

 耕地防風林のある風景は、そこに生活している人々と十勝の風土が相互に作用してできあがった景観でした。

耕地防風林(芽室町)

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