バイオガス消化液の有効活用に向けた取り組み(十勝西部支所)
バイオガスプラントの副産物である消化液は、成分中に窒素やカリなどを含む、速効性の有機質肥料です。しかし、ほ場への散布から土壌混和までの期間が長くなると、消化液中のアンモニア態窒素の一部が大気中に揮発し、肥効を損なう可能性があります。
一方、春の耕起作業前や夏の小麦収穫後に消化液を活用したい農業者や、散布作業計画を策定する関係者からは「散布から土壌混和までの期間はどのくらい空けても大丈夫だろうか」との疑問が寄せられています。
当支所では、道総研畜産試験場、同十勝農業試験場の協力を得て、春季と夏季、実際に消化液がほ場散布される時期に合わせ、揮発するアンモニア態窒素量が経時的にどのくらいあるのかを調査しています。ほ場散布から土壌混和までの期間が長期化した場合でも、アンモニア態窒素の揮発がごく微量であれば、消化液を散布できる時期が広がり、有効活用の拡大が期待されます。
新型コロナウイルスの感染防止のため、現地研修会などは例年どおり開催できない状況ですが、いま出来る活動を通じて、地域の農業者や関係者が安心して消化液を有効活用していけるよう取り組んでいます。
ほ場への消化液散布 春季の小規模実証試験の設置 夏季の小規模試験の設置