新たな枠組み

 十勝農業を取り巻く情勢は、UR農業合意を受けてWTO体制に基づく貿易ルールが構築された後、大きく変動してきました。
 平成11年(1999年)には食料の安定供給、農業の多面的機能発揮、農業の持続的発展、農村の振興を目指した「食料・農業・農村基本法」が施行されました。この新たな基本法に基づく農産物の価格政策には市場原理の導入が進められ、平成12年からは小麦の民間流通がスタートし、平成13年からは乳価も新しい制度によって需給状況、品質評価が反映された価格になり、需要にあった高品質な農畜産物生産が求められるようになりました。
 平成11年に制定された「家畜排泄物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律」を始めとする環境三法により環境対策が義務づけられ、その後の家畜ふん尿処理施設の整備促進により家畜ふん尿による環境負荷が大幅に減少しました。
 また、平成13年度の土地改良法の改正により、土地改良事業の施行に当たって「環境との調和」に配慮することが定められ、それまで機能性や効率性を重視して整備を推進していたものから、動植物の生息環境の維持向上を図りつつ効果的な事業内容となるよう、取組を推進しています。
 北海道では、平成9年に「北海道農業・農村振興条例」を制定して農業生産基盤の整備促進を明確に打ち出し、平成17年には北海道農業農村整備推進方針を策定し、「次世代へと引き継ぐ豊かな農村空間の創造」に資するため、地域住民等の理解と地域の主体性と創意工夫の発揮を促しつつ、効果的・効率的な整備を推進することとし、ほ場毎にきめ細やかな整備を行う弾力的な整備や新たな技術の導入など様々な取組みを進めているところです。
 今後、消費者の信頼を得ていくためにも、引き続き環境への配慮に努めるとともに、都市と農村との交流などを通じた、農業・農村に対する理解を深めてもらうような努力がますます重要になってくると考えられます。

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