H30第1回北海道の管理河川の川づくりワーキング

平成30年度 第1回 北海道の管理河川の川づくりワーキング

  日時 平成30年9月4日(火) 9:30~11:20
  場所 帯広建設管理部 A会議室

 

 

 

 

平成30年度 第1回 北海道管理河川の川づくりワーキングが、平成30年9月4日(火)に開催されました。

今回は、帯広建設管理部から平成30年度の砂防事業、河川改修事業、災害復旧事業、河道内樹木伐採、然別川の事業について説明し、その後、ワーキング委員による意見交換を行いました。

 

※資料や議事内容については、事務局にて一部要約しています。

 

    

北海道管理河川の川づくりワーキングのメンバー(今回の欠席者を含む)

一般財団法人 十勝エコロジーパーク財団  近藤 孝志

浦幌野鳥倶楽部  武藤 満雄

NPO法人 十勝多自然ネット  河合 将弘

帯広ウチダザリガニ・バスターズ  鏡 坦

帯広川伏古地区子どもの水辺協議会  関川 三男   

帯広市町内会連合会 環境衛生部会  山崎 富士夫、坂本 敏郎、山口 孝信、上坂 武郎

・川と河畔林を考える会  髙倉 裕一

・地球環境を守る十勝連絡会  平譯 正勝

・とかち・帯広観光ボランティアガイドの会  塚本 明

・十勝川水系の生態系再生実行委員会  石垣 章

・十勝川中流部市民協働会議  紅葉 克也

・十勝川のシシャモを守る会  越谷 光裕

・日本野鳥の会十勝支部  飯嶋 良朗

・帯広建設管理部事業課  谷内山 裕明

 

主な実施内容

  1. 河川事業全体の方向性について
  2. 砂防事業について
  3. 河川改修事業について
  4. 災害復旧事業について
  5. 河道内樹木伐採について
  6. 然別川の事業について

 

 

メンバーから出された主な意見等

 

【居辺川砂防工事】

ニホンザリガニについて(他の河川も含めて)

  • 居辺川のニホンザリガニ保全について、困難なことがだんだんわかってきた。中士幌の農業排水路では4年前にたくさんいたが、2年前に全滅した。原因が良くわからない。いじると全滅する。管内の密度の高い生息地が次々に消滅している。何か提言しなければならない立場として苦悩している。

外来種であるウチダザリガニとアメリカザリガニの40%~60%が感染しており、致死性であるザリガニペストという病原菌が、必ずニホンザリガニに影響が及ぶと考えられている。中士幌もそのせいではないかという濃厚な疑いが出ている。外来種をその水域に入れないという取組みも含めてではないと、工法だけで保全していくのは難しい。

 

サクラマスについて

  • 居辺川について、今年は天候が悪くこのあと台風も来るようで、大量の水が出そうなので、今のうちに下流側にサクラマスがどれだけ残っているのかを見ておくと良い。

 

鳥類について

  • 河川の工事をやる時には全体に目を配るべきだと思うが、居辺川で特にヤマセミに興味を持ったのは希少な種だからか。

また、ヤマセミ以外の調査はおおむね終了しているということで良いか。

        (事務局)ヤマセミについては、過去の調査結果から、営巣の可能性があるということで調査している。ヤマセミ以外の調査はおおむね終了している。

 

【帯広川改修工事_ウツベツ川工区】

魚類について

  • 調査の時期、魚類の種類、この中に重要種があるかどうかについて、のちほど資料を見せてほしい。

 

バーブ工法について

  • ウツベツ川のバーブ工法について、川の流れが当初の思惑通りに変化していると思う。次の段階として、魚、カモ、流速、水深などターゲットを細かく絞って具体的な目標を設定すると、どういう工夫をしたら良いのかわかりやすくなる。

 

水質について

  • 水質が気になり、川づくりだけではなくて流域の下水道事業などいろいろな問題であるので今どうこうという話ではないが、病院の近くで水辺に触れ合うとなると、目標としては水質改善を念頭に置いた方が良い。

 

氾濫への備えについて

  • ウツベツ川の断面が拡大して流下能力は上がっているが、周辺には半地下の車庫の家もあり、氾濫したら浸水して車に水がついてしまうことを認識する必要がある。ハザードマップの周知、それを現地展開して、例えば電柱などにハザードマップの氾濫水位を表示するのも良いと思う。

 

【芽室川災害関連工事】

大径木の樹種について

  • 右岸伐採予定の大径木の樹種は何か。

        (事務局)後日回答する。

 

【河道内樹木伐採】

  • PDCAサイクルまで出てきて、成熟したワーキングになってきたと思う。

 

  • 河道内樹木伐採についての話、特に持続性広葉樹の保全について、建設管理部の全ての部署で共有できているということで良いか。維持管理の部署や治水課など、担当で違うということはないか。

        (事務局)持続性広葉樹については大事だと判断している。基本的には帯広建設管理部の事業課では案という形で共有したい。ただ地区によってはそれが困難なところもあり、全道となるとわからない。

 

  • 北海道の河畔林の考え方について、事業課以外でも共有しているか。帯広川に関わるすべての人に持続性広葉樹のことなど共有出来ているか。こういう会議で確認されているのに伐られたことがある。

実際に木を伐るのは業者である。そこまで含めて共有してもらえるのか。

        (事務局)維持管理の部署も事務局として入っていて共有出来ている。業者も含めて、周知していくように努力していく。何かあればご意見いただきたい。

 

  • 旧途別川のヤナギが伐採されているが、その後の再樹林化についてどう考えているか。

        (事務局)ヤナギが多く、根のところで伐っているが、また生えてくるというイタチごっこになっている。樹木管理のガイドラインがあり、10年程度のサイクルで戻ったらまた伐採することを考えているが、予算の関係でどうなるかわからない。できるだけ生えないようにしたいと考えているが、ヤナギが強くて苦慮している。

  • 木が太くなってから伐採すると苦労する。なるべく小さいうちに伐った方が低コストである。再検討を願う。

 

【然別川の事業】

化石林について

  • 「化石林」と言っているが、少し炭化した樹木の根の方(長くて1.5mほど)が河床面からたくさん出ている。樹種を同定したところ、ほとんどが針葉樹であった。風雲橋のところは砂利で埋められてほとんど見えない。河川の工事で保全とのかかわりをどうするのかがこれからの課題である。
  • 写真を見ると石というより木の様であり、空気に触れると風化して無くなってしまうのではないか。
  • その通りで、保全するとなると囲って周りを埋めておくなど費用がかかる。自治体などと相談する必要があると思っている。

 

  • 岡さん(もと道立地質研究所)にいただいた資料を見たところ、仙台市の広瀬川で化石林が見つかっている。樹種はメタセコイア(絶滅種)である。仙台市は価値を評価して文化財に指定している。1本の樹の四方を矢板のようなもので囲って保全している。その他に発見された例はほとんどない。
  • 川の中のものはどんどん壊れている。一段高い亜炭層の中にも違う時代の化石林があり風雨にさらされていく。化石林は広いエリアにある。岡さんによれば川から外れた畑の中も掘れば出てくる可能性が高い。

その価値をどう共有してどう保全するか。具体的にどうするか、初めての経験であるので、科学の力と関係者の合意で慎重に進めたい。右岸が鹿追町、左岸は音更町であり、鹿追町はジオパークに位置付けて案内している。音更町は郷土史研究会が主体となって、文化財として指定しようとする動きがある。この川づくりワーキングとしても意見交換が必要である。

 

  • 化石林について専門家と行政とこのワーキングとで情報共有をすべきだと思う。どの程度の価値があるのか。情報を共有することにこのワーキングの意味がある。

仙台の保全については議会を通り、住民による枠組みができているということになる。鹿追町も音更町でも市民運動とし、ワーキングで発言し、また、岡さんから科学的な根拠を受け、いろいろな情報を集めて知識を深めていきたい。

 

【流木対策について】

  • 流木詰まりによる流下阻害によって被害が及ぶということで、最近、砂防などで流木止めが施工されている。ペケレベツ川上流など、今後は北海道管理河川でも流木止めを検討してほしい。

 

【調査結果・危険性などの情報活用について】

  • 工事の時にいろいろな調査をして移植等行われていることがわかった。植物・魚類の保全・変化についての情報が大事である。せっかく調査しているのだからこのように明確に結果を生かしていくことは非常に重要である。

親水工事が行われていて川の近くに降りられることになるが、水位が上がった時の危険なことを地域の小学校や幼稚園などに情報提供されたい。

 

 

 

 


ワーキングの様子

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