H29第3回北海道の管理河川の川づくりワーキング

平成29年度 第3回 北海道の管理河川の川づくりワーキング

  日時 平成30年2月19日(月) 14:00~16:00
  場所 帯広建設管理部 A会議室

 

 

 

  平成29年度 第3回 北海道管理河川の川づくりワーキングが、平成30年2月19日(月)に開催されました。
  今回は、帯広建設管理部から平成29年度の事業実施状況やワーキング委員からこれまで出された意見等   への対応について説明し、併せてワーキング委員による意見交換を行いました。

   ※資料や議事内容については、事務局にて一部要約しています。

  北海道管理河川の川づくりワーキングのメンバー(今回の欠席者を含む)
   ・一般財団法人十勝エコロジーパーク財団  神 弘
   ・浦幌野鳥倶楽部  武藤 満雄
   ・NPO法人十勝多自然ネット  河合 将弘
   ・帯広ウチダザリガニ・バスターズ  鏡 坦
   ・帯広川伏古地区子どもの水辺協議会  関川 三男
   ・帯広市町内会連合会 環境衛生部会  上坂 武郎、金森 秀雄、山崎 富士夫、坂本 敏郎
   ・川と河畔林を考える会  髙倉 裕一
   ・地球環境を守る十勝連絡会  平譯 正勝
   ・十勝川水系の生態系再生実行委員会  石垣 章
   ・十勝川中流部市民協働会議  紅葉 克也
   ・十勝川のシシャモを守る会  越谷 光裕
   ・十勝環境問題連絡会  米澤 昭彦、久保下 正哲
   ・日本野鳥の会十勝支部  飯嶋 良朗
   ・帯広建設管理部 事業課  谷内山 裕明

主な実施内容

1. 平成29年度の砂防・治水事業の実施状況について
2. 平成29年度の災害関連事業・河道内樹木伐採の実施状況について
3. 意見交換

メンバーから出された主な意見等

【ウツベツ川について】
 •  バーブ工法(水制工)について、「iRIC」というソフトを利用して、流れと河床変動の計算をした。水制工の  
  設置により流れに変化があることが計算でも確認できた。配置や流量設定を変えて計算すれば、今後の設 
  置計画に使える。

【渋山川について】
 •  渋山川の工事について、矢板の帯工を実施する設計だが、見栄えも気にして格好良く職人的にやってい
  ただきたい。

 •  渋山川で今問題になっている状態を自然現象として見ると、芽室川合流点から砂防1号落差工までの間
   の広い範囲で進行している。これから予定されている工事においては限定的な範囲で河床低下を止め、河 
 床高を元に戻すというが、そうした全体像の中で考える必要があるのではないか。

 •  渋山川については20年くらい前に調査に入り、その後もずっと関わり、観察会を行ってきた。流入排水路 
   でかなりの河床低下が起きているが、10年間で進んだものである。当初、砂防ダムが原因だと言われていた
  が、堆砂量はそれほど多くなく、その証拠はない。本当の原因は今でも謎である。本格的な調査の結果が 
  あったらぜひ聞きたい。

 •  渋山川の河床低下対応の計画については、周辺環境も想像以上に変わるだろう。そういった場合の議論
  にも参加させていただき、現地を確認したい。

 •  渋山川の河床低下については、大変な被害を受けていると思う。工法等もいろいろ考えてなくてはいけな
  い部分もあるだろう。

【災害関連事業について】
 •  災害復旧で壊れたところを早目に直して皆さんの生活を守っていただきたい。できるだけ環境に配慮した
  工事をやっていただいていると思う。

 •  芽室川の国道上流で河道を広げているが、下流は大丈夫かなと感じる。
 (事務局)国道下流側も調整をとって進めている。十勝川の国の管理区間でも断面を広げる掘削を進めて
  おり、北海道も河川管理者として連携している。

【河道内の樹木伐採について】
 •  河道内の樹木について、十勝川の下流部においては流木が海にまで出て被害を受けている。なるべく流
  出しないように、今後も考えてほしい。

 •  河道内樹木の伐採後、抜根等で再樹林化を防ぐという方法もあると思う。

 •  河道内樹木伐採について、伐ってもそのままだと再樹林化してしまう。幼木のうちに対処することで、それ
  を防げるのではないか。研究をお願いしたい。

【ウチダザリガニ・ニホンザリガニについて】
 •  ウツベツ川のウチダザリガニの調査結果については、事務局の説明どおり、いなくなったのは一時的だと
  いう総括で良いと思う。ウチダザリガニは、飛び飛びに生息しており、物理的に身を隠す場所があると大量に
   いる。急流に強く、陸を移動することもできる。

 •  所属する「帯広ウチダザリガニ・バスターズ」では、機関庫川で地域の方とウチダザリガニの駆除イベント
  を行っているが、年に3,000匹捕っても、翌年、また同じくらい捕れる。あまり神経質にならずに、住民参加で
  川づくりを考えていけるとよい。子供がいるので捕ったものの処分も、食べちゃうのが自然である。
    退治しようとすると挫折する。長い目で付き合っていくことが大事である。

 •  ニホンザリガニについては、5年前、何百匹もいたところで農業排水路の工事が行われることになり、一時 
  調査に関わった。日本で一番詳しい人に引き継いだが、工事実施後、2年経ってからほぼ全滅した。保全が
  どれほど難しいかと大きなショックを受けている。

【帯広市の河川清掃について】
 •  所属する「帯広市町内会連合会 環境衛生部会」では、年1回、建設管理部とタイアップして川の清掃を
  行っている。
      今でも川にゴミを捨てる人が少々いる。見つけたら地元の町内会に注意喚起をしたり協力してもらったりす
    るのだが、誰が捨てたのかはわからず、注意された方は迷惑を受けたと感じると思う。仕方がない時は、私
    たち環境衛生部会のメンバーで清掃をしている。

【川とのふれあいについて】
 •  子供の環境教育として市内の川で自然観察会を行っている。子供たちが川に安全に入って行ける環境づ
  くりと向き合って事業を進めてほしい。

【川づくりワーキングや委員としての取組みについて】
 •  工事は急ぐのであろうが、このようなワーキングの場で各団体の意見をくんでもらえることに、お礼申し上
  げる。
    こうしたワーキングを形式だけに終わらせるのではなく、要望を反映していってほしいと思う。また、今後、
   大学などからも意見を集めるのがよいと思う。

 •  新たな課題がある箇所についても、現場や論文を見ながら考えていきたい。

 •  身近なことや新しい話題が楽しみである。

 •  今後も魚類調査がある場合などは、協力していきたいと思う。

【座長総括】
 •  一昨年氾濫や冠水が起きている。人口密集地を流れる河川については、環境より治水対策の優先順位
  が高い。

 •  渋山川の特性と単年度の治水事業のバランスをどうとるか。十勝の川全体についても、委員の意見をい
  ただいて進められたい。

 •  新たな課題については、現地を見て確認しておきたい。

 •  この川づくりワーキングでは、いろいろな意見が出てきて、新しい単語や考え方を聞き、ネットなどで勉強し
  楽しんでいる。

 •  河川の活動は、「ウチダザリガニを地域の人と食っちゃおう」というように楽しんでいきたい。


ワーキングの様子

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