H29第1回北海道の管理河川の川づくりワーキング

平成29年度 第1回 北海道の管理河川の川づくりワーキング

 

   日時 平成29年8月2日(水) 14:00~16:00
   場所 十勝総合振興局帯広建設管理部 2階 A会議室

 

 

平成29年度第1回北海道管理河川の川づくりワーキングが、平成29年8月2日(水)に開催されました。

今回は、帯広建設管理部から平成29年度治水事業、災害復旧工事、河道内樹木伐採について説明し、その後、これまでのワーキングでの論点を含めてワーキング委員による意見交換を行いました。

 

 注意)資料や議事内容については、事務局にて一部要約しています。

 

 

北海道の管理河川の川づくりワーキングのメンバー(今回の欠席者を含む)

 

団体名

氏名 

一般財団法人 十勝エコロジーパーク財団  神 弘 

浦幌野鳥倶楽部

武藤 満雄

NPO法人 十勝多自然ネット

河合 将弘

帯広ウチダザリガニ・バスターズ

鏡 坦

帯広川伏古地区子どもの水辺協議会

関川 三男

帯広市町内会連合会 環境衛生部会

上坂 武郎、金森 秀雄、山崎 富士夫、坂本 敏郎

川と河畔林を考える会

倉 裕一

地球環境を守る十勝連絡会

平譯 正勝

十勝川水系の生態系再生実行委員会

石垣 章

十勝川中流部市民協働会議

紅葉 克也

十勝川のシシャモを守る会 越谷 光裕   

十勝環境問題連絡会

米澤 昭彦、久保下 正哲

日本野鳥の会十勝支部

飯嶋 良朗

帯広建設管理部 事業課

谷内山 裕明

 

 

 

 

 

 

 

主な実施内容

  1. 平成29年度治水事業概要について
  2. 災害復旧工事について
  3. 河道内樹木伐採について
  4. 論点整理と意見交換

 

メンバーから出された主な意見等

【河道内樹木伐採について】

  • 河道内の河畔林が洪水によって流下し、海の出口や定置網などで困っているのはよくわかる。とはいえ、100%河道内の河畔林がなければいいのか。

緑は段丘のへりや山の森もあるが、現実には河畔林の緑が生物の住処であり、渡り鳥の中継点であり、その落ち葉が川の栄養源になっている。例えば、芽室川下流部左岸の河畔林は、約50年手つかずの持続性広葉樹林であり、生物の多様性の観点からも一級の緑である。

伐採工事を始める前に、河畔林に対する考え方を整理して、伐採するとしたら何をどう配慮するか明らかにしていただき、議論したい。すべてなくなればすべてよし、ではない。

 

  • 日本緑化工学会シンポジウムで、帯広畜産大学辻教授から中小河川における「河畔林が農地を洪水から守った例」の報告があった。場所によっては河畔林を増やす方が農地を守るために有効だということである。

伐採対象の河川リストを見ると、中小の河川が多い。そういうことも考えて現地を見て、慎重に結論を出した方が良い。

 

  • 伐採対象箇所の選定基準を知りたい。

 

  • 伐採後の再樹林化防止対策が大変であるが、どのように計画されるのか。

 

  • 環境調査では植物調査を行うということだが、動物調査は行わないのか。

 

  • 豊頃町は十勝川の最下流部に位置しており海があり、流木には非常に困惑している。昨年の台風で海浜に打ち上げられた膨大な流木は、いまだに処理できていない。

伐採はいいが、今後流出しないような伐採方法を考えていく必要もある。

 

【居辺川砂防区間について】

  • サクラマスは産卵時期に見た方が、魚影を確認しやすい。また、産卵する時間帯もある。移動する魚であり、調査を行いながら対応していきたい。

 

  • ヤマセミは非常に貴重な種であり、生息地は数えるほどしか確認されていない。

居辺川砂防区間での調査同行時には、確認されず、古い巣穴しかなかったが、以前は確認されている。ヤマセミが採餌しやすい水路内のくぼみが少なかったので、そうした環境をつくってほしい。

 

  • 居辺川砂防区間は、ニホンザリガニが割といる環境であった。具体的な保全策については、床固めを入れるという場所に行き、現地で議論するのが良い。

 

  • 東居辺橋より上流は狭い地形であり縦侵食、下流は地形が広がって横侵食となる感じであり、昨年被災したペケレベツ川の状態とよく似ている。縦侵食をしっかり防ぐ必要がある。

居辺川では、十分な予算を確保して、環境にも治水にも十分な効果のある施設をしっかり造っていただきたい。

 

【市街地河川について】

  • 市街地の河川は生活に直結する。何かが起こった時の動きやかかわりを見ていきたい。

 

【ウツベツ川の蛇行化について】

  • マウンド工法について、ネットで包む場合、黒いネットだと街中の景観としてよくない。また、かごの場合は子供の足が挟まらないようにし、滑りにくい加工を施した鉄線を利用するなど留意されたい。

 

【親水整備について】

  • 伏古別川水辺の楽校は、整備以前はゴミだらけであったが、今では利用されている。ウツベツ川は親水整備されてもあまり利用されていない。厚生病院近くで親水整備をするとのことだが、現場を見て助言したい。

 

  • ウツベツ川でも緑丘小と水辺体験をしたが、川の見た目があまりよくなく、機関庫の川や帯広川、伏古別川と比べると、子供たちが入る環境としてはかわいそうである。

新たに遊歩道などの整備をするというが、水質をどうにかできると良い。

 

【災害復旧工事について】

  • 戸蔦別川や芽室、清水、新得にかけて、普段は流量や砂礫移動の少ない河川が被害を受けた。最上流部、日高山脈の山肌が削られている。かなりの砂礫移動があった。

50年後、100年後には、また同じことが起きると想定して、今回発生した特徴的なことを把握しておくことが必要である。

住民の生活や命を守るため、建設管理部と住民が一緒に考え、被害が起きても大きな災害とならないようなまちづくりを、積極的に実施してほしい。

 

【話し合いについて】

  • 地域の利用や災害対策も含めて、どうすればよりよい環境とできるのか、現場を見ながら議論することが重要である。

 

【地域の活動について】

  • きれいでみんなに親しまれる川づくりに、今後も努力していきたい。

 

【座長総評】

  • 伐採工事や親水整備を実施した場合、そのあと長期間維持していくことは行政の予算だけでは困難である。地域との連携、地域住民の「自分たちのため」というかかわりを考えていきたい。

 

ワーキングの委員が現地に行って考えるというのは素晴らしいことである。

 

 

 

 

ワーキングの様子 

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