H27第3回北海道の管理河川の川づくりワーキング

第3回 北海道の管理河川の川づくりワーキング

 

   日時 平成28年3月30日(水) 14:00~16:00
   場所 十勝総合振興局帯広建設管理部 2階 A会議室

 

第3回北海道の管理河川の川づくりワーキングが、平成28年3月30日(水)に実施されました。
 帯広建設管理部から、河川事業全体について説明後、居辺川砂防区間、帯広川(中流地区、ウツベツ川地区、柏林台川地区)、伏古別川、渋山川、居辺川河川区間について、それぞれ事業計画、事業内容、環境対策、委員からの質問・意見と回答、などを説明しました。そして、事業内容や環境対策などについて、ワーキングメンバーによる意見交換を行いました。

 注意)資料や議事内容については、事務局にて一部要約しています。

 

 

北海道の管理河川の川づくりワーキングのメンバー(今回の欠席者を含む)

 

団体名

氏名 

NPO法人 十勝多自然ネット 佐藤 美佐男、河合 将弘
NPO法人 日本野鳥の会十勝支部 室瀬 秋宏
浦幌野鳥倶楽部 武藤 満雄
帯広ウチダザリガニ・バスターズ 鏡 坦 
帯広川伏古地区子どもの水辺協議会 関川 三男
帯広市町内会連合会 環境衛生部会 金森 秀雄、上坂 武郎、山崎 富士夫
川と河畔林を考える会 高倉 裕一
地球環境を守る十勝連絡会 平譯 正勝
とかち帯広サケの会 千葉 養子
十勝川水系の生態系再生実行委員会 石垣 章
十勝川中流部市民協働会議 紅葉 克也
十勝川のシシャモを守る会 和田 宏樹
帯広建設管理部 事業課 山本 文昭

 

 

 

 

 

 

 

主な実施内容
 1.事業説明
 2.意見交換

 

メンバーから出された主な意見等

【全河川共通】
・帯広市の町内会連合会では、毎年5月に河川清掃をやっている。今日ここで、植物や動物を大切にしていく活動をされている人の話を聞いた。そのことと食い違わないように活動をしていきたい。
・鳥については、繁殖や採餌をする鳥にとって餌をとる環境が確保されれば、一時的に改変されても問題はない。
・植物については、種類によって移植困難なものもあるので、移植以外の方法についても検討してみてはどうか。
・このワーキングには各分野の専門家が集まっている。関連する分野の方に現地に行ってもらって調べていただくのがいいと思う。

【居辺川 砂防区間について】
・1号から12号までという床固工の数については不安がある。優先的な施設を選んで試しながら事業を進めていくというのは良いやり方である。
・第1弾の床固工をどこに施工するかが問題。平成29年度に12号床固工から着手するとあるが、もう少し考えるべきところがあると思う。
・最上流の12号床固工からやるのは適切だと思う。砂防区間の上流では明渠排水事業が実施されており、上からやらないと下流は洗掘の脅威にさらされる。
・東居辺橋付近では岩盤が侵食され、非常に危険な状態にある、(東居辺橋上流の)1号床固工はなるべく早く工事を進めたほうがいい。
・切り欠きを多数つけた床固工を入れるというのは良い案である。
・床固工の切り欠きについて、1メートル幅で縦にまっすぐな形状をしており、また深さも同じ深さで生物にとっては違和感があり、水が減ると川の形が画一的になる。逆台形の形にしたらどうなのか。検討していただきたい。
・サクラマスはサケに比べて、魚体が小さく、卵も小さく少ないので、産卵床がかなり小さい。そのため、目視での産卵床調査は難しい。
・ヤマセミについては、河道を広げると餌をとりやすい環境が減る可能性がある。採餌環境については、水深がある方が魚をとりやすい。
・ヤマセミの営巣地を中心とした川沿いの何点かに調査者を配置することで、どこまで餌を取りに行っているかをチェックできる。その範囲の採餌環境に留意する。

【帯広川(中流地区・ウツベツ川地区・柏林台川地区)について】
・第二柏林台川の上流~中流には、密度の高いザリガニの生息地があった(5年くらい前)。下流でも潜り込んでいる可能性がある。調査を綿密に行ってほしい。

【伏古別川について】
・伏古別川の水辺の楽校では、啓北小学校と自然観察会を行っている。今後工事を進める間にいろいろな提案をさせていただき、子供達が遊べる環境にしていきたい。
・重要種のマンシュウイトトンボが確認されているが、工事で水草がなくなると生息環境が失われる。ただ、一時的に水草がなくなっても、回復すれば戻ってくると思う。確認されている水草のミクリは水と土があればどんどん増える。工事後にマンシュウイトトンボが戻っているかどうか確認してほしい。

【渋山川について】
・渋山川の支流である農業排水の流入箇所において、12~13年ほどで著しい河床低下が進行し「ミニグランドキャニオン」となっていた。本流の河床低下と関連づけて解明しないといけない。他にも可能性がある箇所があり、トータルな解明が必要である。
・芽室に住んでいて、渋山川については心配している。皆さんと考えて、何とかしていきたい。

【居辺川河川区間について】
・居辺川(河川区間)では伐採が計画されているようだが、鳥類調査をやるとよい。また渋山川でも鳥類調査をやるとよい。

【渋山川と居辺川について】
・渋山川や居辺川におけるここ20~30年での異常な河床低下について、地質の専門家にとっては、岩盤が100万年前の十勝三股火砕流の堆積物であって脆いことも砂礫層が薄い理由もわかっていた。その知識と河川工事の実践などとがリンクしていなかったため、人為によって河床低下が起きた。他の河川でも可能性があるので、専門家の知識とリンクさせて、知恵や助言をいただいてやることが正しい道筋である。

【座長総評】
・この川づくりワーキングは、かつて犯した間違いをしないように皆でやっていこうという会合である。川づくりというのは、基本的に人の命の安全を守るもので、農業や畜産業などの産業と密着しているものであるが、このワーキングは、環境とのバランスについて、行政も市民も真摯に考えていける枠組みである。次年度もこういう会合を行うとよい。
・事業者は、特に構造物を入れたあとにきちんと評価するというスタンスを忘れずに実施して、それを市民たちに開示していただければ、ますますいい行政と市民の連携、産学官連携が進んでいく。
・特に、居辺川や渋山川は、危ないなという印象がある。そういうところは住民の意見を聞くことも大事だが、人命尊重のためには工事をなさっていただきたい。そのあと、ご説明をいただくということでよいかと思っている。

 

ワーキング状況

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