R4第2回北海道の管理河川の川づくりワーキング

令和4年度 第2回 北海道管理河川の川づくりワーキング

日時:令和4年(2022年)11月17日(木)9:00~16:10
場所:居辺川、然別川、売買川、ウツベツ川、伏古別川

令和4年度第2回北海道管理河川の川づくりワーキングが、令和4年(2022年)11月17日(木)に開催されました。
今回は、現地見学会として居辺川、然別川、売買川、ウツベツ川、伏古別川の各工事箇所(工事予定箇所)をバスで回り、帯広建設管理部から工事内容や状況について説明し、途中と最後の2回、ワーキングメンバーからの意見聴取を行いました。

※議事内容については、事務局にて要約しています。

北海道管理河川の川づくりワーキングのメンバー(今回の参加者は名前の後ろに◎)
・浦幌野鳥倶楽部 武藤 満雄◎
・NPO法人十勝多自然ネット 河合 将弘◎
・帯広ウチダザリガニ・バスターズ 鏡 坦◎
・帯広川伏古地区子どもの水辺協議会 関川 三男
・帯広市町内会連合会環境衛生部会 中島 辰男◎
・川と河畔林を考える会 髙倉 裕一◎
・新得おもしろ調査隊 山田 園子◎(然別川~ウツベツ川の部分参加)
・とかち帯広サケの会 千葉 養子
・十勝川水系の生態系再生実行委員会 石垣 章◎
・十勝川中流部市民協働会議 紅葉 克也(座長)◎
・十勝川のシシャモを守る会 越谷 光裕◎
・十勝環境問題連絡会 久保下 正哲◎
・日本野鳥の会十勝支部 尾崎 高博◎
・帯広建設管理部事業課 秋山 護◎

見学対象工事(見学順)
 1.居辺川砂防工事
 2.然別川総合流域防災工事(魚道工)
 3.売買川・河道内樹木の伐採予定箇所
 4.ウツベツ川地区(帯広川改修工事)に設置した情報パネル
 5.伏古別川改修工事(排水機場)

ワーキングメンバーから出された主な意見等
【居辺川砂防工事について】
・図面や説明からは具体的なイメージがつかめなかったが、現場を見て、何百mも離れた段丘地形の中で、どういう歴史的経緯をたどって今のような川になっているのか、これからどのようになっていくかイメージ出来た。これからも何回も来て、移り変わりを見て行きたい。

・右岸の崩れかけている20mくらいの砂礫層は、良く見ると丸い砂礫であった。このことは上流から川が運んできたということであり、古い時代の扇状地の断片が見えている。
 今の居辺川は、普段は小さな川であるが、もっと大きな歴史の流れで見ると、かつての居辺川はああいう20mもの砂礫層を運ぶ勢いを持った流れの時代があったのだろう。
 それぞれの川はそれぞれの歴史を持っていて、今の川の様子で川を考えるのではなく、もっと大きな流れの中で、周りの地層や地形を見て考え、対処するという目も持ちつつ進んだ方が良い。

・周辺の畑が全部森だったら居辺川のあの工事は多分いらないと思う。畑にしているために保水能力が無くて、雨が降ると一気に流れる。
 畑が無くなる訳はないので、将来的には土じゃなくて緑の草地のような所に種を植えて、収穫して行くという時代が来るのではないか。そういう時代が来ると、川ももうちょっと優しくなるのかなという気がした。

・スリットがきちんと魚が通れるようになっていたので良かった。

・12号、11号の工事実施時はスリットの前に土砂が溜まって川の形がなくなっていたが、この2~3年で解消されて川の形が出来ている。この川は1年、2年で見てはいけない。この川は雨が降ると、ものすごい流量が一気に出てしまう。普通の川というよりは、水路のような川というイメージを持っている。
 今年はスリットの所もきちんと水が流れて、魚も行き来していた。サクラマスのオスの親魚も確認されている。工事がこのあと下流に続いていくと、もっといい条件になるのではないかと思っている。

・ほんの1回か2回の大雨で、覆土が部分的に流されて、かなり掘られている状況を確認した。この川の特徴として、一気に水が出るので、今年また覆土をやってもイタチゴッコのような形になって行くのだろうか。
 それ以外の所でも床固工が造られて、これからどのように効果が上がっていくのか。何十年に1回の大雨の時に、それらがどういう効果を発揮するのか見てみたい。

・砂礫被覆した後の出水時と水の少ない時との流れがどうなるか非常に興味を持った。今後どう変化するのか見てみたい。

・12号床固工が、昨年よりも随分自然な形になった。現地調査もしながら砂礫被覆を慎重に行っており、かなり手をかけていると思う。難しいのは、上流の落差工直下がやはり掘れていて、上流からの土砂供給など流域全体も見ていかなければならない。

・近年の気候変動の関係で大雨がすごく多くなっている。河床の低下に対して、このような工事は効果があると思っているが、今後の維持管理もいろいろ考えていく部分がある。

・居辺川の砂礫被覆が今後どのようになるか関心を寄せて行きたい。

・既設の落差工の部分も対応を考慮していただきたい。

【然別川魚道工(帯工)工事について】
・然別川の浸食のひどさには驚いた。自然の驚異のすごさを感じた。

・然別川の浸食のすごさにはびっくりした。今やっている工事の影響が、今後どのように出てくるのか、もう少し観察させていただきたい。

・然別川は30年くらい前からよく行っていたが、河床低下が本当にすごい。渋山川と良く似ており、この2つの川はすぐには河床低下が止まらないという、同じような問題を抱えているように見えた。

【ウツベツ川地区の改修工事について】
・ウツベツ川は、3年前と比べれば、自然豊かな流れに変わりつつあり、川も少しずつきれいになって来ている感じはする。今後上流の方も工事を行うと思うが、地域住民の意見も聞きながら進めていただきたい。

・ウツベツ川は、サクラマスが上っている川とは思えないような汚い感じがする。もう少し見た目をきれいにすることで、多数の人があの川に親しんで利用してくれるのではないか。ゴミを拾って歩くだけでも効果があり、市民レベルのアクションを提起してはどうか。

【売買川、弥生新道南橋から共栄橋のエリアの河道内樹木伐採について】
・このエリアは、エゾモモンガとエゾリスの非常に密集度の高い生活エリアであった。最近はどうなっているのだろうか。ぜひ、エゾモモンガやエゾリスなどの気配や様子に配慮しながら進めてほしい。

・このエリアでは、エゾリスが最近増えている。キタキツネも巣を作っており、自然が回復する過程の中で、新たな動物も来るということもある。

・利用者の要望や、回復した後の環境などにも配慮していただきたい。

【全体を通して】
・今日見たものが、また来年、再来年とどういうような形になっていくのか興味がある。

・河川はいろいろ事情もあって人間が住みやすくするような形になって行くのだと思うが、現在住んでいる我々ではなく、これからの子供たちのためにもより良い方向に持って行けたらと思う。

・河畔林や河川敷にある草原は、特に春とか夏、4月から8月ぐらいまでは野鳥の繁殖期となっているので、工事について出来るだけ配慮して欲しい。

【建設管理部事業課より】
・川の持っている本質や水の力はものすごく、河床低下はどこの川にも共通する大きな課題である。覆礫を試みているが、なかなか上手くいかない。川は数値や計算式で数学的に出せるものではなく、同じ川は他にはない。自然を残しながら改修していかなければならないのが一番の問題である。河床などの変化を検証しながら、今後も進めて行きたい。
 

◎配布資料(抜粋)

資料2(P01~12_表紙・目次・居辺川)(PDF 1.03MB)

資料2(P13~25_然別川・売買川)(PDF 1.36MB)

資料2(P26~35_ウツベツ川・伏古別川)(PDF 981KB)

◎見学状況写真

01_見学状況写真(居辺川)(JPG 552KB)

02_見学状況写真(然別川)(JPG 439KB)

03_見学状況写真(売買川)(JPG 345KB)

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帯広建設管理部のカテゴリ

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