令和7年度 第2回 北海道管理河川の川づくりワーキング
実施日 令和7年(2025年)10月29日(水)9:30~16:00
場 所 居辺川砂防区間、北九線川、旧途別川、ウツベツ川
令和7年度 第2回 北海道管理河川の川づくりワーキングが、令和7年(2025年)10月29日(水)に開催されました。
砂防事業対象の居辺川、河道内樹木伐採対象の北九線川、河川事業対象の旧途別川とウツベツ川を見学し、それぞれの箇所で帯広建設管理部から実施状況、環境調査に基づく対応状況などを説明のうえ、ワーキングメンバーによる意見交換を行いました。
※ 議事内容については、事務局にて要約しています。
北海道管理河川の川づくりワーキングのメンバー(今回の参加者は名前の後ろに◎)
- 浦幌野鳥倶楽部 武藤 満雄 ◎
- NPO法人 十勝多自然ネット 及川 禎智 ◎
- 帯広ウチダザリガニ・バスターズ 鏡 坦 ◎
- 帯広市町内会連合会 環境衛生部会 中島 辰男 ◎
- かわたびほっかいどう 十勝川コーディネーター 小川 宣幸 ◎
- 新得おもしろ調査隊 山田 園子 ◎
- 地球環境を守る十勝連絡会 平譯 正勝 ◎
- とかち帯広サケの会 〈各回、出席者を決定〉
- 十勝川水系の生態系再生実行委員会 石垣 章 ◎
- 十勝川中流部市民協働会議 紅葉 克也 ◎
- 十勝川のシシャモを守る会 和田 宏樹 ◎
- 十勝環境問題連絡会 米澤 昭彦
- 日本野鳥の会十勝支部 尾崎 高博 ◎
- 帯広建設管理部 事業課 相内 慎之 ◎
見学箇所
1. 居辺川砂礫被覆箇所
① 11号床固工上流(令和6年度施工済み):東大橋より
② 10号床固工上流(令和6年度より施工中):東大橋下流左岸より
2. 居辺川床固工施工箇所
① 7号床固工(令和6年度施工完了):上流左岸湿地
② 1号床固工(令和7年度より施工中):東居辺橋より
3. 河道内樹木伐採参考箇所(単断面河川)
① 北九線川:近牛橋(ちかうしばし)下流右岸
(注:近牛橋(ちかうしばし)は道東自動車道より上流、近牛橋(ちかうしはし)は自動車道より下流で利別川合流点直上流)
4. 河川事業箇所
① 旧途別川相川20号橋(架替え施工中):仮設橋より
② ウツベツ川第7号落差工上流(魚道工・改修工事直前):並木橋より
メンバーから出された主な意見等
【居辺川砂礫被覆箇所①②:11号床固工上流・10号床固工上流】
- 重要種動物Aの遡上~産卵は9月の中旬から下旬。そのころに11号床固工付近を通過し上流で産卵するのでその時期に水があるといい。
- ここの川はちょっとした雨でいきなりガツンと増水してガサッと減ってしまう特異的な川。魚が上るために、水位が下がった時にも川の筋が残っていてほしい。それをどうやってつくっていくかが課題。
- 被覆用の砂礫からは大きいものを少し除いた方がいい。
- >(建設管理部) 上部に大きな礫が目立つが、設計では50mm~150mmの間のものを入れることになっていて細かい礫もあると思う。30cmぐらい掘り下げ、土をふるって被覆している。
- ふるいにかけない方が泥質土が入っていて目詰まりしやすいので、かけなくてもいいのではないか。
- 畑が広くて森がないから保水力がなくて一定の水量というのが維持できない。(増水時は)ド~ッと流れるからこれだけの川幅が必要だが、川幅広げてこれだけの木を切ったらそのぶん保水力がさらに減る。
- 重要種動物Aを上げろといっても水がないような状態では厳しい。重要種動物Aにのぼって欲しいなら水量が維持される保水力を考えていかないと厳しい。
- 上流の集水域がもう全部畑になっているのでそれはちょっと難しい。これだけの水しかないのに重要種動物Aいっぱいなんてあり得ない。
- 部分的ではなくて全体的に考えていかないといけない。
【居辺川床固工施工箇所①:7号床固工_上流左岸湿地の地下水位観測箇所】
- 重要種動物Bは水が凍結してしまうようなところにはもうすめない。湧水のあるところ、湧水のあるところ、と移動していると思う。
- 地下水位がうんと高くなってくると木が枯れだす。そういう半分枯れ木になってきたような所は重要種動物Bにとって良い条件である。
- ここはかつては泥で湿地になっていて、こういう倒木の下に重要種動物Bがいた。工事前の調査では奥の木が生えないところに沼のようになっているところがあり、そこに重要種動物Bがたくさんいた。今は水位が下がりすっかり干上がって、工事後調査では確認されなかった。
- この水の供給源は上流の居辺川本川ではなく、ずっと深いところの伏流だと思う。どちらから来てるかはわからない。
- >(受注者) たぶん段丘からの湧き出し水由来だろう。
- 重要種動物Bはそういうところに刺さりこむ。冬場でも段丘からしみ出して湧水になっているところ、あるいはそこに少したまってる所に巣穴を掘って生息する。木を伐ってしまうとダメ。ずっと上流の方に生息地があったのだが、きれいに木を伐ったら2年後にはすっかりいなくなった。
- 床固工を造る時は床掘りするので1回水位が下がる。しかし今、床固工=壁ができたので、また自然に水位が上がってきたとき重要種動物Bの供給源があるなら、ここで何年か後に復活してくれたらと思っている。
- ただ現実には、重要種動物Bの生息地がダメになって、そういうことで復活したという例はほとんど報告されていない。
- 復活した例を何か所かは知っている。わずかに潜んでいた数十匹の重要種動物Bが小さい沢筋から供給されて、そこで繁殖が復活したという例が何か所かある。ただし十数年かかる、
- 棲める環境が残されていたり後から棲める環境になったりすると、そこにわずかに残っている個体が出てきて、そこでまた繁殖するという例をいくつか確認している。かつてすっかりいなくなったのが今はいるという状況が現実に起きている。
- ただ、どういう条件の時にそれが起きてどういう条件がないと起きないのかということはよくわかっていない。だが、可能性として生息していた環境を残しておくってことは将来につなげることになる。
- ここがかつては表面が水域で、下が泥になっており重要種動物Bはそこにいた。その重要種動物Bがどこかで避難していると復活する可能性がある。今は干からびているが、ここのコケが生えている木は水分条件が非常に良い状況を示していて、たぶん何十年もあったのだろう。今は枯れ葉がこうやって散っているが、以前は湧水が出ていたと思うのでそれが復活できてもう少し全体としてじわーっと水位が上がっていれば、重要種動物Bがまた入ってきた時に利用できる。
- 重要種動物Bが50cmぐらいにまで潜り込んで、砂利の間で生きてることはよく見かける。以前、生息地をバックホウで掘る時に見せてもらって観察した時、掘った深い所が木の根などによって守られ潰されず、そこに重要種動物Bがいた。
- 7号床固工上流左岸湿地が乾いてしまう前に、DNAを調べてもらうと痕跡などがわかるかも知れない。
【居辺川床固工施工箇所②:1号床固工(令和7年度より施工中)_東居辺橋より】
- 今年この工事を行っている最中に、すぐ上流で重要種動物Aが見つかったのはいいことだ。
- (低水路右岸沿い(=次年度工事予定)に水が流れているのを見て)この澪筋を維持できるといいかもしれない。次年度予定工事で右岸側床固工部分を伸ばして重要種動物Aが上らなくなったらシャレにならない。
- >(建設管理部・受注者) 今工事中の床固工のスリットがついている底の部分が新しい河床になる。今現在は計画の河床よりも深い所を流れている。それがある程度澪筋として残りながら、少しこちら側を水よけしてやればまた乗って、いろいろ瀬淵ができていいのかも知れない。
- そこがポイント。重要種動物Aに影響がない時に切り替えておき、安定したころが遡上時期になるように。
- そう。今回の調査結果によると、重要種動物Aは産卵時期である9月の下旬、30日に見つかっている。(先日の出水の後で)ぴったりな時期である。
- 次年度工事での切り替え時期、工程管理がポイントかもしれない。
【河道内樹木伐採参考箇所(単断面河川の例):北九線川 近牛橋(ばし)下流右岸(伐採対象範囲外)】
- 単断面の対立概念というのは複断面というのか。
- >(建設管理部) そう。複断面というのは利別川のように高水敷がある、1段ステップのある断面のこと。
- 単断面河川の樹木を放っておくのは管理上よくない。伐採しても問題ないんじゃないか。伐採するなといわれるのが困る。
- 伐るサイクル的なものはあるのか。
- >(建設管理部) 北海道としては、1河川5か年程度で伐ってまた下流に戻ってというのが目標だが、予算と木の生え方によって進める量が変わってくるので、ちょっとうまくいっていない。一応、河川全体の流下能力を確保してまた下流に戻るという形で維持していこうという目標は立てている。
- 伐採する前に継続して誰かが現地確認するのか。
- >(建設管理部) 今までどおり建設管理部と調査担当業者と施工業者の3者で全部を一緒に歩いて見るのか、それとも事前に重要な樹木をマーキングして残すのか。改めて相談させてもらいたいと考えているが、今年度はこれまでどおり9月発注段階で3者確認をしてそのまま伐採という形になるだろう。残すと決めている種を残す形でやりたい。
- 本来は不等流計算でどこの木を残すか試しに確認するやり方もあると思う。不等流計算でダメなら重要種でも残せないと思う。そうした面からのチェックが必要かと思うがどうか。
- >(建設管理部) ある程度の延長とかある程度の幅の中でなら、流下能力の確認はやっても間違いではないという気がする。
- 横断データがないところを不等流計算するのは難しいと思う。単断面河川でもある程度の幅があり横断測量などしているところは計算をしてもいいのではないか。
- >(建設管理部) 不等流を流せないところは阻害率で考えるとか、そうしたところは簡略化しながら考えていきたい。
【河川事業箇所①:旧途別川相川20号橋(架替え施工中)_仮設橋より】
- 猿別川合流点の水門の整備はいつ頃の予定か。
- >(建設管理部) 猿別水門は国管轄で帯広建設管理部では全く対処しない。国も整備しない。
- それで大丈夫なのか。(平成28年8月に)浸水被害があったのはここだった。
- あの時は電気系統のトラブルがあり猿別水門を閉めるべき時に閉められなかったので、増水した猿別川の水が旧途別川に逆流した。旧途別川からの水を飲めなくてあふれたのではない。(注:閉門遅れの原因はブレーカーが落ちていたこと)
- >(建設管理部) この水門自体の今の能力はこの河川の規模に合っている。
- 旧途別川の水は飲み込めるのか。猿別川本流に出せるのか。
- >(建設管理部) 新しい計画流量も今の既設の水門で飲める。幕別ダムからの排水も見込んで旧途別川の改修をしており、水門のところから千住6線新橋の下流くらいまで堤防を2~3m上げる予定。
- 国と道が一緒になって整備しないと危ないだろう。
- 国は今の基準で計算チェックしてOKを出している。
- 「平成28年8月の被害は国の猿別水門が機能しなかったからという考え方で、そこにそれまでの想定以上の水が旧途別川に入ってきた」という情報については、国と道とがちゃんと確認のうえやっているのか。
- >(建設管理部) はい。合流点協議はしている。
- 旧途別川がいっぱいになるということは猿別川や十勝川もいっぱいになっている。ならば猿別水門には相当のポンプがついてるわけか。
- >(建設管理部) ゲートだけでポンプはついていない。旧途別川内にたまった水は、このあとかさ上げしていく堤防の中で上がっていく。1mぐらいかさ上げする堤防の間で飲み込める計算である。
- 雨が降るのは何時間と決まってるわけではないのに、ここで水を止めたらどんどん増えてくる。1日、2日ならよくても3日も4日も降ったらあふれるだけだろう。
- >(建設管理部) 長時間の雨がずっと降り続くとあふれてしまうが、基準である28年に一度相当の雨の期間で降っているのなら、今回のかさ上げの中で収まるという考え方である。
- よほどひどいところは地元自治体が動き、河川管理者が新しく排水機場をつくり、地元自治体が管理をする。国が管理する排水機場はよほどのところ。
- わかった。この水門は国の管理なので、北海道としては改善できない。この旧途別川の中で、前回のような降雨・出水があっても氾濫しないような程度のかさ上げと対応を考えているということね。
- ただ、ここの川は勾配がなく、稲志別川合流点から猿別川合流点までほとんど落差がない。
- こういうところではポンプ車の増強など、固定の排水設備を造るより安くすむ方法を考えた方がいいと思う。ポンプを7~8個持ってきたらけっこうな力になる。機動性があり、水がついたところに直接持ってこれる。
- 大規模な施設をつくるより、仮設によってその時だけ運用すればそれですむ規模ということか。わかった。
【河川事業箇所②:ウツベツ川第7号落差工上流(魚道工・改修工事直前)_並木橋より】
- この7号落差工から上流には8号まで落差工はないのか。
- >(建設管理部) ずっとない。その間の工事では左岸の2割の断面を5分に立てて河道を広げ、連節ブロックを入れていく。たまに排水工があるので拡幅実施前に処理しながら進める。8号落差工付近では左岸勾配が緩い方が管理しやすいのだが、流下能力の設定上制約があるので、上流も全部切る形で左岸法面を立てていく。
- 8号落差工も7号と一緒にやれれば一番いいのだろうが、なかなかうまく進まないことが課題になっている。
- 水量的にはこんなものなのか。
- >(建設管理部) 通常これぐらい。雨が降ったら雨水排水などが全部ウツベツ川に入るので増える時には水が一気に増える。そして下流に行くほどどんどん水位が上がっていってしまう。今、土地利用や排水計画などが全部変わってきており、市街地の右岸側は全部舗装化され、下水道も全部入ってきている。
- 市街地が整備されると、普段と雨が降った時の水量差が大きい。雨が降ると一気に水が来てしまう。
- 断面が広いが今は流れている水が本当に少ない。大空団地の水もウツベツ川に入るのなら雨が降ったら一気に増える。
- >(建設管理部) 改修しないとあふれてしまう可能性が高いということ。昔はこの断面でも問題なかったのだろうが、今は雨水がここに集中して入ってくるので、川幅を広げ容量を大きくせざるを得ないと考えている。
- 水が入ってくる上流は川西まであるのか。
- >(建設管理部・受注者) 建設管理部の管理対象流路としては大空団地のちょっと上流、帯広広尾自動車道のあたり(別府町)まで。
- (地図を見ながら)そこから上流は農地だけだ。山からの川ではないが、集中豪雨があったらみんなここに入ってくる。
- >(建設管理部・受注者) そう。昔、結構暴れたらしい。「南の森西」のウツベツ川は結構暴れたんだという。
- 他の委員と川に降りれるといいと話をしていた。
- ヤマメが釣れるから。
- 釣れるようになる。上流では網でヤマメをすくえるようになる。
- >(建設管理部) スロープはつかないが、管理用の手すり様のものをつける可能性はイメージしたい。河道を広げても見たとおりすぐ木の葉が落ちる。維持管理をしっかりやっていかないとできた魚道の中に詰まって機能しなくなる可能性があるので、メンテナンス用のはしごが必要だという気がする。
- 子どもは降りることはできないね。
- >(建設管理部) けっこうな散歩コースにもなっていて水量もそれほど多くない。子どもたちも入れるといいのかも知れないが、両岸が立ち護岸になり危ないと思うので、ここは全部転落防止柵をつける。設置できるのは作業用のはしごぐらいなので降りていくことはできない。
- 河道を広げたら、野草園内のような自然な流れになるのだろうか。
- >(建設管理部) 河道拡幅後、魚道入口に向けての低低水路を設ける予定である。7号床固工では魚道を真ん中につくる。河床が少し下がり片岸に寄っている水路を横移動して真ん中に寄せ、魚道の方に導くような形で低低水路を造る。
- 底はブロックを打っていない。低々水路を真ん中にしておけば大丈夫だろう。
- 魚道ができたら、重要種動物Aが上流に上ったかどうかの調査をやるのか。
- >(建設管理部) 環境調査は継続してやっており工事完了後もやる予定である。事業はずっと上流まで続くので、その実施期間はある程度ずっと継続して調査をかける。
- >(建設管理部) 一番心配なのは野草園に入っての工事ができなくなり、6号落差工に手を出せないこと。6号落差工では川の水が伏流しているので、調整しないと重要種動物Aが上れない可能性がある。7号床固工魚道ができてもそこまで上れなくなるので、何か簡易的に施設をつくれないか考えている。
- 山の中の砂防施設などでは簡易的に単管で対応している事例もある。そういったものでうまくできないか、などと考えていかないといけない。
- 01_見学状況写真(居辺川) (JPG 1.52MB)
- 02_見学状況写真(北九線川) (JPG 1.63MB)
- 03_見学状況写真(旧途別川) (JPG 1.39MB)
- 04_見学状況写真(ウツベツ川) (JPG 1.54MB)
- 資料02_居辺川 (PDF 1.76MB)
- 資料02_居辺川2 (PDF 1.96MB)
- 資料02_居辺川3・北九線川・旧途別川・ウツベツ川 (PDF 1.29MB)

