梅毒(ばいどく)が全国的に拡大しています!
✦2022年の感染者数は約1万3000人(国立感染症研究所)と言われ、全国的に梅毒の患者数が増加しています。
✦十勝でも7年ぶりに、年間で2桁を超える感染者が出ています。
✦症状があるときや、不安なときには、早めに近くの医療機関や保健所に相談し、検査を受けましょう。
そもそも梅毒とは…?
✦梅毒トレポネーマという細菌の感染によって生じる性感染症(STI)です。
※STI(STD)とは、Sexually Transmitted Infections(Deseases)の略です。
→細菌は感染者の精液や血液、膣分泌液などに含まれています。感染経路の大部分が性的接触であり、非感染者の皮膚・粘膜の微細な傷口と直接接触することで感染します。
✦性的接触には、口や肛門を使った性行為も含まれます。その為、キスやオーラルセックスでも感染の可能性があります。
✦これ以外に、胎児の時に子宮内で、母親から感染することもあります。
✦感染しても無症状であったり、初期には症状を自覚しにくかったりするため、気づかないうちにパートナー等へ感染させてしまう可能性があります。
梅毒の相談や検査について
✦帯広保健所では、梅毒に関する相談や検査の予約を、下記のお電話番号で受け付けています。
✦また、感染の不安のある方のために、匿名・無料で、梅毒の検査を行っています。
✦検査では、血液中の梅毒抗体を調べますが、感染機会から4週間程度の時間が経たなければ抗体ができないため、血液検査で陰性となり、感染したことがわからない時期があります(ウインドウピリオド)。その為、感染の心配のある行為から4週間以上経ってからの検査をお薦めします。
✦帯広保健所では、毎月2回検査を実施しています(予約制)。検査を受ける方には、予約した時間に保健所に来て頂き、採血(約7ml)を行い、1~2時間後に結果をお知らせします。
✦心配なことがあるときにはまず、保健所にご相談ください。
梅毒Q&A
1.どんな症状が出るの?
✦梅毒は以下の様に症状が多彩で、他疾患に間違われる場合があります。
2.どのように感染するの?
✦梅毒は、主に次の3つの方法で感染します。
✦一般の生活での接触程度では、感染する心配は殆どありません。
3.どのように予防するといいの?
✦感染経路として最も多いのは性的接触のため、予防の為には、より安全な性行動を心がけましょう。
✦多数の相手との性的接触は、感染する(または感染させる)リスクを高めます。
✦コンドームの適切な使用により、梅毒の感染リスクを減らすことができます。
✦コンドームを使用した場合にも、コンドームが覆わない部分から感染する可能性もあります。心配な時や気になる症状がある時には、早めに近くの医療機関や保健所に相談してください。
4.検査結果が梅毒陽性だったらどうすればいいの?
✦早急な病院の受診が必要です。症状がない、または症状がなくなった場合についても、まず一度近くの病院を受診してください。(男性は泌尿器科、女性は婦人科)
5.治療をしたら治る病気なの?
✦梅毒は治療法が確立しており、感染から早期に投薬治療をすることで治る病気です。
✦治療をしなくても、一時的に症状が消えることがあります。そのまま治療せず放置することで、全身に症状が出て命に関わることもあります。
6.一度感染したら、もう感染することはないの?
✦梅毒は、治っても感染の機会があれば、何度でも感染を繰り返す可能性のある病気です。その為、再び感染しないために、予防行動の継続が大切です。
7.HIV(ヒト免疫不全ウイルス)にもかかりやすくなるって本当?
✦クラミジアや梅毒などの性感染症に感染していることで、HIVに感染するリスクを高める原因になることが指摘されています。また、HIV感染患者の免疫状態に対して悪影響を与えていることも報告されています。
8.自分の周りの人が梅毒に感染していたらどうすればいいの?
✦周りの人から梅毒について、「心配なことがある。」と相談を受けた場合は、保健所への相談を勧めて下さい。
✦梅毒は低酸素状態でしか長く生存できないため、感染経路は限定されます。学校や職場、近所付き合いなどで感染する心配はありません。このことから、皆さんも決して偏見を持つことなく、これまでと同様に接するよう心がけましょう。